店内は窓が大きくてとても明るい設計になっています。自分たちだけのために用意されたかのような美しいバスクの自然を目の前にしてお食事を楽しむことができます。各テーブルには胡蝶蘭の鉢植え。1時の予約でしたが、この時間に来ていたのはお隣の席のアメリカ人グループのみ。
私たちがメニューを選んでいるとお隣のテーブルから美味しそうなイカ墨の香りが!!期待が高まります。
メニューはアラカルトとテースティングがありましたが、私たちは少しずつお勧めを頂けるテースティングのコースにすることにしました。
まずは1995年の作品。スモークしたうなぎとフォアグラのミルフィーユ。うなぎそのものに若干臭みが残っていましたが、フォアグラや青リンゴと一緒に頂くと不思議とその臭みが和らぎます。
1995 mille-feuille of smoked eel, foie-gras, spring onions and green apple |
次は海藻といくらの乗ったサーモンのタルタルときゅうりをはじめとしたお野菜のソース。お上品です。
2011 savage salmon and seaweed with liquid of cucumber and spring onion with red fruits and radish |
イカのスープ。先程隣のテーブルから匂いが漂っていたものです。まずはラビオラと小さなイカ(ホタルイカ?)が乗せられたお皿が運ばれてきます。
そこに熱々のスープがかけられます。 ふわっとイカ墨の香りがして食欲がそそられます。イカ墨ボールを一口で食べると中からイカ墨のジュースがたっぷり。とても手がかかっています。
2001 squid soup, creamy squid ink ravioli served with squid crouton |
次は生牡蠣。ココナッツミルクやこぶみかんの葉が入っておりどこか懐かしいタイ風。牡蠣の甘さとココナッツミルクの甘さがすばらしい具合に調和しており感激の一皿。
2011 oyster with cucumber, sour fruit kafir and coconut |
2011 little pearls of raw fennel, risotto and emulsion |
2011 "corrotxategi" egg resting in a liquid salad of red tubers dewlap carppaccio |
2011 warm vegetable hearts salad withseafood, cream of lettuce and iodized juice |
次に出てきたのはスフレのようなお皿。これにシーフードのスープをかけて頂きます。潮の香りが豊かな一品です。日本人からしてみるとこれは海藻入り茶碗蒸し。
2011 curdled of seaweeds with a translucent consomme of carabineer |
お魚はレッドマレット。鱗もパリパリにして食べられるように調理されています。ふんわりとごまとわかめの香りが漂ってどこか和風の味わいです。美味しい一品でした!生のアーモンドのペーストが添えられています。
2011 roasted red mullet crystals of edible scales tail and marine salad with sesame and nuts |
お肉は牛のサーロインでした。うさぎのチョイスもありましたが私はビーフに。こちらは出された時のしし唐の香りがすばらしい一品。お肉の焼き加減も最高で脂ののったお肉の持ち味を楽しむことが出来ました。チーズボンボンは口に含むとチーズの液体が飛び出してきます。作るのは本当に大変だったと思うのですが、お肉にマッチするかと言うとそれは疑問を呈さざるを得ません。・・・ということで私は別々に美味しく頂きました。この濃厚なお肉にはトマトサルサなどの方が良かったかもと思うのは私だけでしょうか。
2011 grilled sirloin "luismi" over a bed of swiss chard chlorophyll and cheese bonbon |
デザート一品目はさっぱりした冷たいデザート。ライムのシャーベットにバジルのエッセンスがかけられます。こちらも香り高き一品。シナモンの小さな小さなビスケットやいんげんなどの異なった食感が一層この作品を幅広く面白いものにしてくれている気がしました。
2011 cold essence of basil with lime sherbet, juniper ice shaving and raw almond |
2010 chocolate and acacia honey with unsweetened irish coffee |
食後に頼んだハーブティー(7ユーロもする驚き価格!!)は鉄瓶を使って楽しい演出(でもバーベナティーはあまりにも苦くて美味しくなかったです・・・。名誉のために追記するとエスプレッソは昨日のムガリッツのものよりも美味しかったとのこと。)。カップの形も変わっています。
テラスからの眺めは牧歌的。心が癒されます。
最後にマルティンのお客様サービスの時間がありました。本当ににこやかで気さくな方。各テーブルで嫌な顔一つせずサインをしていました。
私たちも頂いてしまいました。マルティンのサイン。家宝にします。
最初から最後まで心地よい気分でお食事を頂くことが出来、大満足のランチでした!ムガリッツは言うならば食の驚きと食のエンターテイメントを楽しむ好奇心旺盛な方向け(お客様も皆さまとてもカジュアルな服装で来ていました)、マルティン・ベラサテギは最高の食材(特に海の幸)を特別な空間で雰囲気ごと楽しむ方向けな気がしました。
マルティンの特徴をもう少し挙げるならば緑が大好きということ。ほとんどのお皿はなぜか緑色がアクセントカラーになっています。それからもう一つは香りで楽しませてくれるということ。お皿が運ばれて来た時にまずそのお皿の美しいプレゼンテーションを目で楽しみ、立ちこめる素材の香りがさらに脳を刺激してくれます。食感にも沢山工夫がされており、ムガリッツ以上に5感で楽しむことが出来ました。マルティンのサービス精神にも大変感銘を受けました。
グラシアス、マルティン(すっかりお友達気分)。最高の思い出になりました。また来ます!
0 件のコメント:
コメントを投稿