5泊6日のブータン旅行も本日最終日を迎えました。何とも寂しい気持ちでいっぱいです。最終日は特にアクティビティーが予定されていません。お迎えの来る11:30までの自由時間を利用してホテルからメインストリートまで少し散策を楽しみました。
メインストリートではちょうどゴミの収集が行われていました。あどけない青年が作業を行っておりびっくり。学校は??
ブータンでは現在教育に一番力を入れており、ガイドさん曰く国家予算の約40%が教育関係に費やされるとのこと。しかしこの現実を見てしまうと・・・。
パロ川(パロ・チュ)。空の青が美しい。
余りもののご飯は捨てずに川の周辺に生息する生き物のために活用されていました。すばらしい。
村の雑貨屋さん。インドから輸入されたものがほとんどのようですが、整然と並べられたカラフルな色がとてもかわいらしい。店番をしていたお嬢様もにっこり微笑んでくれました。
ブータンのものはほとんど売られておらず、ブータン製は床に並べられていたお野菜、唐辛子の粉、それからポン菓子だけでした。
ここでブータンの道路に並ぶ面白い看板の話を少し。
ブータンの道路は山道ばかり。当然カーブも多く主要道路には運転する人々の注意を喚起する面白い看板がたくさんあります。ウィットにとんでいてとても面白い看板です。
"Peep peep don't sleep" (ピピー、寝ないで!)
"If you are married, divorce speed" (結婚しているのならスピードとは別れて!)
"Fast won't last"(速い走りは長続きしない)
"Life is short so don't make it shorter" (人生は短い。それをさらに短くするな。)
"Don't mix driving with drinks" (運転と飲酒を混ぜないで!)
"After Whisky, Driving is Risky"(ウィスキーの後の運転はリスキー)
いよいよ、旅立ちの時がやって来ました。出国審査を終えると日本人にはアンケートが渡されます。今回のキャンペーンについてのアンケートだそうです。
キャンペーンのお蔭もあり、本当に心洗われる楽しい1週間でした。
ブータンは観光分野に公定料金制度を導入しており、観光客は現地の旅行社に対して1日1泊当たり250ドルを払わなければなりません。この料金には宿泊、食費、移動費、ガイド、運転手に関する費用すべてがパッケージとして含まれています。こうしたこともあり、2014年にブータンを訪れた外国人は約60,000人とかなり限られた人数です(この人数にはビザがなくても入国できる南アジア諸国は入っていません)。観光客は特別な相互関係を結んでいるタイ(12,105人)が一番多く、中国(8,111人)、アメリカ、ドイツ、日本(2,707人)と続きます。今年は日本との国交樹立30年の特別な年ですから、今年は日本からの観光客の数字がずいぶん増えるのではないかと思います。
ドゥルックエアーのおやつ |
ドゥルックエアーのランチ |
ブータン人なら誰でも知っているという日本人の紹介。JICAの専門家として1960年代から長年ブータンの農業に尽くした西岡氏。ブータンの爵位に相当する「ダショー」という称号を持っています。亡くなった後にその功績をたたえるために仏塔が建てられました。
ブータンは「世界一幸せな国」と言われますが、果たして皆本当に幸せなのでしょうか?ブータン政府が重要視している国民総幸福量の4つの柱は、①公正で公平な社会経済の発達、②文化的、精神的な遺産の保存、促進、③環境保護、④良い統治です。
ガイドさん曰く、開発計画は全て上述の4つの柱に沿っているか細かく検討されているとのこと。ガイドさんから聞いた政府の福祉政策の一部には現金収入のほとんどない農村部に住む人々が家を建てる際の建材や電気代の無償提供があります。教育も医療も無料です。環境保護については、ブータンは豊かな山国で、木材は豊富にありますが、一切輸出していません。ブータンでは排出する二酸化炭素の4倍の量の二酸化炭素が作られています。
一方で若者の失業率が10%のと言われる中、あちらこちらでラッシュが続く建築は約70,000人といわれるインドからの労働者によって担われています。ブータン人は建設現場で仕事をするよりも農業をしていた方が良いのだそうです。また、ブータンの伝統様式の家を建設する技術はありますが、現代建築物を施工する技術はないとのこと。農業による自給自足の生活が基本なので、現金収入源が限られています。産業はほとんどなく、旅行中第一次産業以外に「ブータン製」をなかなか見つけることができませんでした。唯一見つけたのはジュース。ほとんどのものは隣国のインドからの輸入に頼っています。現在政府は新卒の若者に対し、ビジネスを始めることを推進しているとのこと。
2010年に7,142人の参加を得て行われた国民総幸福量調査で、幸せであると答えたのは41%。そうでないと答えた人は59%だったそうで、必ずしも全国民が現状に満足しているわけではないことが分かります。ブータン旅行中、自国を「世界一幸せな国」にするという政府の方針や政策は本当によくわかりました。またその方向性について、多くの国民の支持を得ていることは間違いないと思いました。その証拠に(?!)王室は国民の尊敬を集めており、家や公共の場には必ずと言ってよいほど国王夫妻の写真が飾られていますし、国王夫妻のバッジをしている人も多く見かけました(あまりにも多くの方々が国王夫妻のバッジを胸に付けているので全体主義国家のように思えることもありましたが・・・)
ブータンは物質的、金銭的価値観のみで言うとまだまだ貧しく開発途上です。でもブータンではいつも笑顔に囲まれ、ブータン人は自分だけでなく自分の周りや世界の人々の幸せを常に願っているということを感じました。本当に短い滞在でしたが、この滞在を通じてブータンは世界で一番「心の幸せを追及する国」なのではないかと感じました。またぜひ再訪したいです!カディンチェ、ブータン!!
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