2011年10月31日月曜日

バル巡り3(スペイン)

スペイン旅行最終日はビルバオ観光とビルバオのバル巡り。ビルバオのハイライトは近現代美術館のグッケンハイム美術館。平らな部分がどこにもないという美術館の建物(アメリカのフランク・O・ゲーリーの設計)はとても印象的です。アメリカのグッケンハイム財団は世界各地に美術館の分館を持つ構想を広げているとか。


美術館の入り口で迎えてくれたのはジェフ・クーンズの作品「パピー(子犬)」。これまたとても印象的です。今ではビルバオの象徴になっているとか。





実はこの子犬、近くで見ると全部植物なのです。鳥が子犬のあごのあたりに巣を作って行き来していたのがとても微笑ましかったです。

美術館の周辺は公園になっていて、オブジェを鑑賞することが出来ます。












私たちはここに荷物を預け(空港には荷物を預けるところはありませんが、美術館では大きな荷物も預かってくれます)、美術館の中を鑑賞した後そのまま市内観光へ。


グッケンハイムの対岸は紅葉が美しかったです。

こちらは旧市街の入り口近くにある駅です。

まずは旧市街のバル巡り。Irintziという所へ。
壁には日本語の文字が書かれていたりしてちょっと怪しげ。
和や中華を意識したようなピンチョスが沢山です。

少しだけ試してみることに・・・。こちらは1つ1.5ユーロ。











残念ながらすぐにはしごすることが決定。全てのピンチョスにはマヨネーズがた~~~~~っぷり使われていて好みではありませんでした・・・。やはりターゲットの年齢層が若いのかもしれません(・・・とは言ってみたもののほとんどのお客様はちょっとシニアな年齢層の方々でした。)。

旧市街を色々楽しみつつ・・・












次のバルCafe Bar Bilbaoへ。こちらは昼間から沢山の人々で賑わっていました。



こちらのピンチョスは大変お上品でとても美味しかったです!でも時間切れのため、皆さまが楽しんでいた温かいピンチョスをオーダーすることは出来ませんでした。人気だったのはイカのフリッター。残念。
クリームチーズにナッツがまぶされたデザート風ピンチョスも頂きました。美味しかったです!

ビルバオのお土産はサボアと言われるカステラ。どこででも売っていたのできっと名物だったのでしょう・・・。美味しかったです!


この3日間はあまりにも贅沢し過ぎてしまったので、これからしばらくは粗食に努めたいと思います。

2011年10月30日日曜日

Martin Berasategui (スペインレストラン)

食いしんぼうのバスク旅行2日目のランチはMartin Berasategui。サンセバスティアンのバスターミナルからタクシーで10分(16ユーロ)の閑静な住宅街の一番奥まったところにあります。マルティン・ベラサテギは現在51歳。13歳のころから家業であるレストランの手伝いを始め、25歳でミシュランの1つ星を獲得した長年のキャリアを持つスペインの料理界を牽引する巨匠です。郷土をこよなく愛していることで知られています。またスペインで有名なシェフの父親的存在なのだそうです。











店内は窓が大きくてとても明るい設計になっています。自分たちだけのために用意されたかのような美しいバスクの自然を目の前にしてお食事を楽しむことができます。各テーブルには胡蝶蘭の鉢植え。1時の予約でしたが、この時間に来ていたのはお隣の席のアメリカ人グループのみ。
私たちがメニューを選んでいるとお隣のテーブルから美味しそうなイカ墨の香りが!!期待が高まります。
メニューはアラカルトとテースティングがありましたが、私たちは少しずつお勧めを頂けるテースティングのコースにすることにしました。

まずは1995年の作品。スモークしたうなぎとフォアグラのミルフィーユ。うなぎそのものに若干臭みが残っていましたが、フォアグラや青リンゴと一緒に頂くと不思議とその臭みが和らぎます。
1995 mille-feuille of smoked eel, foie-gras,
spring onions and green apple
パンはこんなに大きなものが!もちもちです。
次は海藻といくらの乗ったサーモンのタルタルときゅうりをはじめとしたお野菜のソース。お上品です。
2011 savage salmon and seaweed with liquid of cucumber
and spring onion with red fruits and radish
こちらのカトラリーももちろんオリジナル。

イカのスープ。先程隣のテーブルから匂いが漂っていたものです。まずはラビオラと小さなイカ(ホタルイカ?)が乗せられたお皿が運ばれてきます。

そこに熱々のスープがかけられます。 ふわっとイカ墨の香りがして食欲がそそられます。イカ墨ボールを一口で食べると中からイカ墨のジュースがたっぷり。とても手がかかっています。

2001 squid soup, creamy squid ink ravioli
served with squid crouton


次は生牡蠣。ココナッツミルクやこぶみかんの葉が入っておりどこか懐かしいタイ風。牡蠣の甘さとココナッツミルクの甘さがすばらしい具合に調和しており感激の一皿。

2011 oyster with cucumber, sour fruit
kafir and coconut
フェンネルを様々な調理方法で楽しませてくれる一品。底には米粒大に刻まれたフェンネルの”リゾット”が敷かれておりその上に新鮮なフェンネル、まわりはマルティンが得意とするところのフェンネルを乳化させた泡で飾られています。食感が異なる楽しい作品。お味も優しく美味しかったです。
2011 little pearls of raw fennel, risotto and emulsion
次のお皿は日本人的には温泉卵料理。上には動物性脂肪のカルパッチョが乗せられています。これはこれで美味しかったのですが、私にはどうもベーコンエッグのイメージと重なるものがあり過ぎて感動は生まれませんでした。でも他の日本人には人気のメニューのようです。

2011 "corrotxategi" egg resting in a liquid salad of
red tubers dewlap carppaccio
少し濃厚なお料理の後は再びさっぱりとしたお料理です。シーフードのおだしを感じる上品なサラダ。大変私好みのお味でした!

2011 warm vegetable hearts salad
withseafood, cream of lettuce
and iodized juice














次に出てきたのはスフレのようなお皿。これにシーフードのスープをかけて頂きます。潮の香りが豊かな一品です。日本人からしてみるとこれは海藻入り茶碗蒸し。

2011 curdled of seaweeds with
a translucent consomme
of carabineer















お魚はレッドマレット。鱗もパリパリにして食べられるように調理されています。ふんわりとごまとわかめの香りが漂ってどこか和風の味わいです。美味しい一品でした!生のアーモンドのペーストが添えられています。

2011 roasted red mullet crystals of
edible scales tail and marine salad with
sesame and nuts














お肉は牛のサーロインでした。うさぎのチョイスもありましたが私はビーフに。こちらは出された時のしし唐の香りがすばらしい一品。お肉の焼き加減も最高で脂ののったお肉の持ち味を楽しむことが出来ました。チーズボンボンは口に含むとチーズの液体が飛び出してきます。作るのは本当に大変だったと思うのですが、お肉にマッチするかと言うとそれは疑問を呈さざるを得ません。・・・ということで私は別々に美味しく頂きました。この濃厚なお肉にはトマトサルサなどの方が良かったかもと思うのは私だけでしょうか。

2011 grilled sirloin "luismi" over a bed of
swiss chard chlorophyll and cheese bonbon

デザート一品目はさっぱりした冷たいデザート。ライムのシャーベットにバジルのエッセンスがかけられます。こちらも香り高き一品。シナモンの小さな小さなビスケットやいんげんなどの異なった食感が一層この作品を幅広く面白いものにしてくれている気がしました。
2011 cold essence of basil with lime sherbet,
juniper ice shaving and raw almond
アカシアのはちみつとチョコレートのデザート。添えられているアイスクリームはアイリッシュコーヒー風味です。濃厚なお味。
2010 chocolate and acacia honey with
unsweetened irish coffee

食後に頼んだハーブティー(7ユーロもする驚き価格!!)は鉄瓶を使って楽しい演出(でもバーベナティーはあまりにも苦くて美味しくなかったです・・・。名誉のために追記するとエスプレッソは昨日のムガリッツのものよりも美味しかったとのこと。)。カップの形も変わっています。











テラスからの眺めは牧歌的。心が癒されます。

最後にマルティンのお客様サービスの時間がありました。本当ににこやかで気さくな方。各テーブルで嫌な顔一つせずサインをしていました。



私たちも頂いてしまいました。マルティンのサイン。家宝にします。




最初から最後まで心地よい気分でお食事を頂くことが出来、大満足のランチでした!ムガリッツは言うならば食の驚きと食のエンターテイメントを楽しむ好奇心旺盛な方向け(お客様も皆さまとてもカジュアルな服装で来ていました)、マルティン・ベラサテギは最高の食材(特に海の幸)を特別な空間で雰囲気ごと楽しむ方向けな気がしました。
マルティンの特徴をもう少し挙げるならば緑が大好きということ。ほとんどのお皿はなぜか緑色がアクセントカラーになっています。それからもう一つは香りで楽しませてくれるということ。お皿が運ばれて来た時にまずそのお皿の美しいプレゼンテーションを目で楽しみ、立ちこめる素材の香りがさらに脳を刺激してくれます。食感にも沢山工夫がされており、ムガリッツ以上に5感で楽しむことが出来ました。マルティンのサービス精神にも大変感銘を受けました。
グラシアス、マルティン(すっかりお友達気分)。最高の思い出になりました。また来ます!